ちんちん
01.3.28
子どもって「ちんちん」が好きだ。
「ちんちん」という言葉を聞くだけで、箸が転がるかのように笑い出す。
今、次男のシューがそのツボに見事にはまっている。
彼にまつわる「ちんちん」ネタは数多い...

そもそも彼は自分の「ちんちん」をこよなく愛している。
お風呂で「ちんちん」を使ったゾウさんや潜水艦などの
一発芸はお手の物で、周囲を笑わせてくれるのはいいのだが
あまりいじくると衛生上良くないので注意した事もあるが、
言う事を聞かず案の定赤く腫れたりしたこともあった。

そんな彼にとって「ちんちん」は宝物的存在であるから、家族で唯一
「ちんちん」を持たない母親の事が不憫でならない様子である。
「お母さんちんちんがなくてかわいそう」としつこく心配するシューに
面倒くさくなって「いつかお父さんがグッデイ(ホームセンター)で
買ってあげるから心配するな」といい加減に言った事をいまだに信用しているらしい。

またそんなシューのことだから、人の「ちんちん」にも興味あるらしく
ボクが用を足してると、入ってきて何が楽しいのか下から
覗き込んだりもする。
そんなある日、珍しく陽の明るいうちに会社から帰るとシューが道ばたで
近所のリョーちゃんと何やら言い争いをしてるではないか。
こらこら、近づいてみてまずは2人の話しを聞いてみよう。
「シューのお父さんのほうがちんちん大きいもん!」
「ボクのお父さんのほうがおおきいも〜ん」
「だってシューのお父さんのちんちんこ〜んなこ〜んなでっかいとよ!」
「ボクのお父さんのだってこ〜んなこ〜んなこ〜んなでっかいもん!」

...シューよお、申し訳ないがその勝負お前の負けだ。
リョウちゃんのお父さんの「ちんちん」は見たことないけれど
客観的にみてお父さんの「ちんちん」は世間一般に胸を張って
自慢できるよーなものではないのだよ。
シューの気持ちに応えられない自分が痛いほど辛かった。

そのショックがまだ冷めない去年の夏のある日、時期を逃して大きく
なりすぎたキュウリを何本か収穫しているとシューがやってきてまた言った。
「そのキュウリ、お父さんのちんちんみたいやね!」

...シューよお、だからお前何か勘違いしているぞお。
リョーちゃんに見栄を張りたい気持ちもわからないでもないが
もう少し現実をだなあ..
それにお父さんの「ちんちん」はこんなに曲がってないぞぉ。
そして何よりもおまえに言いたいのは「ちんちん」以外に
ほかにもう少し何か考えることはないのかあ?
彼の「ちんちん」に対する思いは人並み以上のようである。

最後にそんな彼が、最近たどたどしくもやっとひらがなを
読めるようになり、図書館で借りてきた小学生の詩集のなかで
最もお気に入りの短いポエムを紹介して終わりにしよう。

『はみがき』 
              作/まつしたやすゆき

はだかで
はをみがくと
ちんちんが
ゆれます
               「ぼくなかないぞ」 鹿島和夫編より






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